2010年12月17日

子育て版 花盗人は風流のうち

結婚するずいぶん前の話。

国道沿いに、オレンジ色の花が一面に咲く季節がある。
私はその景色が好きで、わざわざ遠回りしてその花を眺めに行っていた。
通るたびに目に飛び込んでくるオレンジ色。
ため息が出てしまうほどだった。

ある日、家の車庫の横に あの花が植えられていた。
正直言ってその花は、近くで見るとわさわさと伸びすぎていて
一つ一つの花はかわいくない。
ただのオレンジ色のコスモスだ。

名前もそのまま『キバナコスモス』。

私は遠くで眺めていたほうがきれいだなぁと思っていた。

しばらくして母に あの花はどうしたのかと尋ねた。
「あんたが好きだっていうから お父さんが道に咲いてるのをごっそり採ってきたんだが。」

なんと、私のために拝借してきたものだったとは。
口下手な父が、私を喜ばそうとして植えてくれたのか。
私の喜ぶ顔が見たかったのだろう。
それ以来、あの花を見ると父を思い出す。
私のことを思いながら花を抜き、車に積み込み、
狭いスペースだけどボリュームたっぷりに植えた父。
精いっぱいの愛情の証だったのだ。
その花を見るたびに涙が出た。

でも私は、父にお礼を言っていていない。
全くひねくれた娘だった。
それでもお父さんは優しかった。

親って偉大だなあ。
亡くなった後になってしみじみ思う。
後では遅いけど。

posted by クロ at 00:16| Comment(6) | TrackBack(0) | 親の思い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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